「8年前のオープンまでは、地元横浜でカフェに勤務していました。大さん橋、開港広場前の一角。昭和8年建築の古いビルにあるJACK CAFEです。ある時ふらっと入ってみたら、オールドアメリカンな雰囲気に射抜かれちゃって。入り口にはハイネケンのビッグボトルがどんっ、中に入るとJAZZがガンガンに流れ、床は白と黒のブロックチェック。それに、雰囲気だけじゃなくて、サンドイッチもめっちゃ美味しかった。格好いいなぁと痺れていたら、店内に求人募集が貼ってあったんです。」
「いざ中にはいってみたら、なんでも手作りなことに驚かされました。いわゆるカフェ飯じゃなくて、ハンバーガーのバンズも手作りでしたし。料理の楽しさ、作ることの面白さを知ったのは、この頃です。当時、バンド活動をしていたので、物置になっていた地下スペースを借りて練習していたんです。その場所をセルフリノベーションし、 Jack Cafe Basementと名付け、ライブやアーティストの個展などのプロデュースも担当しました。ミニマムな経営を体感したというか、いつか自分が店をもったら…とイメージを膨らませることができました。いい経験になりましたね。」
友達の家に遊びにきたかのような温かい雰囲気。ソファ席の横にはステレオセット。音楽好きに定評のあるアルテックのスピーカーが。
「最終的には店長も務めたカフェでしたが、30歳を目前に独立を考え始めました。もともと古いもの、古着、年代ものの家具、オールディーズなんかが好きで。そんなものが似合う年月を経た物件がいいな、と思って探し始めたのですが、なかなか出会えませんでした。ある日、ツイッターで流れてきた「葉山」「居抜き」のキーワードにピンときて葉山まで見にいったら、気持ちいい空間がそこにあった。ここなら自分の好きな世界観を形にできそうだなって感じたんです。ここは裏庭に祠(ほこら)もあるんですよ。サーフィンは全くやらないし、葉山には夏に海の家のライブに行ったぐらいで、想定外の場所でしたけどね。オープンしたのは 2011年のクリスマス。前のカフェを辞めてから1年くらい、物件が決まってからは2か月くらいでの出来事です。」
「近所では「横浜から来た兄ちゃんがなんか変な店をつくった」って噂になっていたみたいです。お客さんから後日談として聞いたんですけどね。葉山という場所は、もちろん元から住んでいる人もいますけど、都内近郊からの移住組が多いミクスチャーな場所なんです。だから「知らないコミュニティーに飛び込んだ」と大袈裟に考えることもなく、気負わずに始められたのかもしれません。」
店内奥はAntique&Galleryとしてアンティーク雑貨や多肉植物などが並ぶ。築130年の建物と古い家具がマッチしている。
「朝、店に来るとまず、バンズの生地を仕込みます。葉山の街にハンバーガー屋がなかったので、ハンバーガーはやはりやりたいなと思って。ライ麦入りの自家製バンズに国産牛100%のパティ。これはオープンした7年前から変わっていませんし、これからも変わるつもりはありません。葉山ならでは、という点でいうと、隣町逗子のブルワリーで作られるクラフトビール”Yorocco Beer”の生樽が、毎週入れ替わりで楽しんでもらえます。オーガニックワイン、ウイスキーも用意してます。」
「ハンバーガーを軸として、それ以外のことで遊び心を出せたらいいなと思って。例えば、曜日限定で揚げたてドーナッツを出してみたり、急なひらめきで新メニューのキューバサンドを作ってみたり。インテリアも、ちょこちょこと直したり動かしたり。そんな楽しみ方がきっと好きなんだと思います。」
水曜日だけ並ぶドーナッツはテイクアウトもできる。
手書きの文字やイラストから手づくりのこだわりが伝わってくる。
自家製バンズと国産牛100%パティのハンバーガー。
これからについて
かつての自分がJACK CAFEで味わったように、ふと街角にあるカフェに入ってみたら、思っていたより風変わりで、思っていたより旨いなぁ、って感じてもらえたら嬉しいです。人が集まって楽しそうにしているのを見るのが嬉しいので、店内でライブやパーティを開催することもあるんです。大きく変わりたい気持ちはありません。日常の中で、近所の人や海に遊びに来た人が、美味しいものを食べて、ゆったりくつろげる店にしたいと思っています。
DAYS386/デイズサンハチロク
神奈川県三浦郡葉山町堀内 377
11:00〜20:00 (土日祝は〜21:00) 定休日・木
www.days386.com
Instagram @days386
葉山・森戸海岸まで徒歩2分。葉山の町角に佇むカフェ&ダイナー。ライ麦入りの自家製バンズと国産牛100%のパティで作るハンバーガーをメインに、ランチタイムには、自家製ブレッドで拵える様々なサンドウィッチやキッシュ、ライスプレート各種を提供している、ハンドドリップコーヒーに、ホームメイドケーキやドーナッツ、アイスクリーム。隣町の醸造所から直送のクラフトビール生や、オーガニックワインと、気軽なサイドディッシュからメインディッシュまで、さまざまなメニューをいただける。
バンドマンって、チラシを作る機会が多いんです。なので昔から紙モノとの接点はありましたし、とても好きです。今でも新メニューが出るたびに、自分で写真を撮って、レイアウトして、チラシを作っていますね。羽車との最初の出会いは、紙のCDケースを探していた時。オリジナルで印刷できる場所をネット検索していて知りました。バンドメンバーのアーティストSuga Takuyaにオリジナルイラストを頼み、それを印刷しました。
カフェでは欠かすことのできないコースターですが、なかなかこれというものを見つけられずコースター難民でした。酒屋から貰えるビールの銘柄のものを使っていたこともありますし、布製だった時もあります。CDケースを作った際に、羽車でコースターも作れるのをサイトメニューで見かけていたので、試しにと思い作ってみたんです。イラストは同じくSuga Takuyaに頼み、活版印刷で加工してもらいました。
ヴィンテージ家具とクラフト紙は相性抜群。
仕上がりを手にしてみたら紙がふかふかで、印刷部分の凸凹な風合いもすごく気に入りました。一回で捨てるのが惜しいので、もし汚れてなければ、重い本を乗せて乾かしてから再利用しているほどです。紙好きとしては、次に気になっているのは名刺です。今まではショップカードと兼用していてちゃんとした名刺を持ったことがありません。もし作るなら、奇をてらわない、シンプルなものがいいですね。
サイズ | 直径90mm(カードDC コースター丸) |
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紙 | ボード紙ブラウン450g |
印刷 | 活版印刷 1色 |
色 | ブラック |
価格 | 100枚7,930円 / 500枚13,150円(+税) データ入稿 |
納期 | 校了後4営業日 |