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五感を刺激する海外研修(前編)NY、ポートランド

五感を刺激する海外研修(前編)NY、ポートランド

2006年からスタートした羽車の海外研修。人材育成の一環として、のべ60名以上が参加しています。海外研修なんて優雅だと思ったら大間違い。訪問先のアポイントからレポート・報告会まで、ハードで骨太なのが「羽車流」。今回は海外研修メンバーが集合。厳しくも楽しい研修の日々について話しました。


総務部/田中、販売促進部/松本、オンラインストア/河村、花木

ついつい人に話したくなる

田中
今回は、2015年のニューヨーク、2016年のポートランド、2017年の台湾での研修に参加したメンバー4名が集まりました。だいぶ時間が経っていますが、まずはどんな雰囲気なのか聞かせてもらえますか?
松本
私は、何回か海外研修に行かせてもらったんですが、とにかく自由度が高いというのが印象に残りますね。友人に話すと「えっ、遊びに行ってきたの?」と突っ込まれてしまったり。真剣に取り組む課題はもちろんあるんです。訪問先のアポイントもとりますし、一人ひとり決めた研究テーマについて、レポート提出と報告会もあります。でも、とにかく楽しい出来事が多いから、そういうエピソードばかり人に話してしまうんです。

NY マンハッタン島

花木
私は、海外旅行の経験があまりなくて、旅先で自分がどんな行動をとったり、どんな気持ちになるのかも未知数だったんです。羽車の研修ならではと思うのは、担当制なところでしょうか。
田中
まず全員で役割を決めるんだよね。マネー、トーク、マップ、タイムキーパーなど。各役割にはリーダーもいます。担当が決まると、急に他人事から自分事になって責任感がむくむくっとわいてくる。担当者には文句を言わないのがルールだから、なおのこと責任をきっちり果たさないと。NY研修のマップ係は、まぁ迷走しました。

河村
僕はポートランドでレストラン係だったので、とにかく予約を抜かりなく。行きたいお店など入念にチェックしたんですが、実際のところは電車や予約に間に合わなくてダッシュしたり、予算ギリギリになったり。そういうことは茶飯事ですね。

廃線となった鉄道の高架橋を利用した公園「High Line」(NY)

感性にぐんぐんしみ込む

田中
さっきから楽しい話ばっかりなんだけど、あくまで「研修」ですから、もちろん学んだことがたくさんあるわけですよね?
河村
当たり前ではあるんですけど、異文化って心が動かされるし感動しますよね。雑誌やテレビで見るのと、実際に目で見て体験するのって大きく違う。例えば、暮らしたい街として有名なポートランド。街の人がとても気さくでフレンドリーに感じました。人気のカフェのスタッフは、テキパキと働きながらもBGMのリズムに合わせて口ずさんでいるし、お客さんはと言うと、長い列に並びながらもゆったりと待っているんです。

地元の人にも人気。テイクアウトメニューもあるカフェ SWEEDEEDEE(Portland)

河村
順番がくると、軽い会話を楽しみながら注文。私が売られていたカップを手にすると、「すごくいいよね? 実は友達が作ってるんだ。今度イベントに出展するらしいからよかったら~」と自然な会話が続いていく。日本式の接客と違って、対等な感じというか独特の空気感を感じました。心地よいサービスっていったいなんだろう、と考えさせられました。
松本
ポートランドでは、Egg Pressというレタープレス工房を訪れましたが、スタッフが楽しそうに働く様子が印象的で。アーティストやミュージシャンを目指す若者などクリエイティブな感性のスタッフが多いそう。会社も勤務時間などは個人の責任に委ねているそう。それがよい方に影響しているのか、自然体で働く姿はこちらにも心地よかったです。工房内のちょっとした落書きからも仕事を楽しむコツが伝わってきました。

“確認済み”のメモ。工房内のいたるところに落書きのような手書きが。

制服はなく、思い思いのスタイルで働く。(ともにPortland)


花木
NYでは見本市に出展したのでタイトなスケジュールでしたけど、夜は観光したりミュージカルを観に行ったり、合い間を縫ってギリギリまで楽しみました。ブロードウェイで観た「ライオンキング」は本当に素晴らしかった! 現地のデザイン会社も見学させてもらいましたね。いかにも勉強、というのとはまた違う形だけど、吸収できることは多いと思います。

NYギフトショー(2015年)

憧れのショップへ

田中
私は、NYのステーショナリーストアの訪問が印象に残ってます。かつて営業だったころ、デンプシー&キャロル(1878年創業の老舗ステーショナリーブランド)のレターセットを目にして、便箋と封筒で4,500円するのに衝撃を受けて。そのころ扱っていたビジネス用の封筒とは桁が違うから、なんだこれは?!と。それ以来、ずっとNYの本店に行ってみたいと思っていたので、海外研修でそれが叶って、とても嬉しかった。

NYのアッパーイーストサイドにあるDempsey & Carroll

手彫り版で印刷するエングレービング(凹版印刷)が美しい、トーマス・エジソンの招待状

田中
こじんまりとした店内には、本当に美しい商品が並んでいるんです。私たちのことを話すと、奥からなんとトーマス・エジソンの結婚式の招待状を持ってきてくれて、丁寧に説明してもらいました。店員さんのホスピタリティーも素晴らしくて、それを会社の仲間と共有できたのもとても嬉しかった。
河村
みんなで行く良さって、そういうところかもしれませんね。漠然とした街だったのが、他の人の趣味やコメントで、フォーカスが広がったり目線が変わりますし。

ステーショナリーストア Oblation Papers & Press。
店の奥ではリサイクルしたオリジナルペーパーが作られている。(Portland)



松本
ただ、みんな行きたいところが多すぎて、毎回ハードスケジュールすぎるのが困りもの……。夜中の12時にホテルのロビーでミーティングして、明日は7時集合ね!とか。
田中
体力は必要だよね。もうハードすぎてついていけないよ 笑

Oregon Coast(Portland)
市民のオレゴンコースト(People’s Coast of Oregon)といわれ、市民が自由に楽しめる海岸として保証されている。

ポートランドのシンボル、マウント・フッドにあるTimberline Lodge。
天然の石で組まれた落ち着いた館内に多くの美術工芸品が楽しめる人気のロッジ。

- 中編 台湾につづく -

番外編 ここが良かった!スタッフおすすめスポット

NY

「5Napkin Burger」
NYで最高のハンバーガーレストランを目指す人気店。アンガスビーフ100%、ボリューム満点のパテは焼き方を選ぶことができる本格派。NYに4店舗あり。
「必勝法は絶対お腹を空かして行くこと!めちゃくちゃ元気がでます」(松本)

「5Napkin Burger」https://5napkinburger.com/locations/


「Dempsey & Carroll」
創業1878年、NYの富裕層に愛される老舗ステーショナリーストア。落ち着いた店内には、特別な手紙にぴったりのラグジュアリーなコットン製のカードが並ぶ。テントウ虫やイエローキャブなど親しみやすい柄のカードもある。
「いつも頑張っている自分へのご褒美としても欲しくなる一枚です」(田中)

「Dempsey & Carroll」https://www.dempseyandcarroll.com/

PORTLAND

「Salt&Straw」
上質な地元産のオーガニック素材にこだわったハンドメイドのアイスクリーム屋さん。生産者とのローカルビジネスが確立するポートランドには地産地消のレストランが多い。
「甘じょっぱい味の洋ナシ&ブルーチーズのフレーバーがオススメ!」(花木)

「Salt&Straw」https://saltandstraw.com/pdx-locations/

「The Tiny Spoon Neon Signs」
ポートランドでよく見かけるシンプルで懐かしいネオンサインを手がけているアーティストの工房。使い古したトレイやボードがネオンサインのベースに使われたユニークな作品もあり、個性的な作品が街になじんでいる。
「スケートボードを使ったアップサイクルジュエリーなど、同じ工房を複数のアーティストがシェア。いろいろな作品が楽しめる素敵なスペースです」(河村)

「The Tiny Spoon Neon Signs」https://thetinyspoon.com/