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羽車で人気の加工 TOP 5

羽車で人気の加工 TOP 5

100周年を迎え、今年4月にオンラインストアもリニューアルしました。(2019.4.15)
お客様に長くご愛顧いただく中で、羽車の商品や加工技術は日々進化しています。その中から、お客様に人気の加工をご紹介します。

「加工人気度 No.1」
ハンコのような凸版で押す 活版印刷(Letterpress)

加工の人気No.1は、活版印刷加工(レタープレス)。
カード、封筒、BOX、冊子の表紙など、たくさんの商品にハンコのような印刷ができることで、お客様からのご依頼が最も多い加工です。

かつて印刷の主役であった活版印刷は、金属製の活字を組みハンコのように垂直に版を押し当て印刷する加工です。戦後オフセット印刷の普及により、商業印刷としては一線を退いた活版印刷ですが、ここ20年ほど、あたたかな印面や紙の表面が凹むまでぐっと圧力をかけた印刷(レタープレス)が人気に。手にした時に「何か違う」と感じる印象的な印面は、デジタルで表現できない魅力のひとつです。シンプルなデザインが引き立つこと、クラフト感のあるボード紙と相性がよいこと、厚みのある紙に適した加工であることも、人気の理由かもしれません。

羽車の活版印刷は、デジタルデータから硬質の樹脂版を作り印刷しています。印刷機は60年ほど前のドイツの「ハイデルベルグ社」製。機械の調整には長年の勘が欠かせないというレトロな機械は、この道30年のベテランスタッフ指導のもと、「チーム・アナログ」が担当しています。

A2サイズまでの印刷が可能な大型の活版印刷機。


活版印刷について詳しくはこちら

「華やかさ No.1」
キラキラだけじゃない、表現の幅が広がる箔押し加工

活版印刷に続いて人気の加工は、箔押し加工。
デザインされたロゴや文字をはっきり目立たせる加工として人気です。箔押しは文字通り、薄い箔のフィルムを紙に押して定着させる加工。紙質、箔色によって加工の温度と圧を調整しながら、最適な相性で加工します。インクのように紙に染み込まず紙の上に箔が重なるため、くっきりはっきりとした質感が魅力です。

箔には金・銀のような光沢がある箔以外に、赤や黒などの色箔もあります。キラキラ感はありませんが、印刷とは存在感の違う仕上がり。紙素材の相性とともにデザインの可能性が広がります。

紙と加工色が同色でも、箔押し加工ならくっきりとした表現が楽しめる。

「箔がつく」の言葉通り、ゴールド箔がレターヘッドの高級感を演出。

羽車の箔押し加工機は、主に3種類。細かなデザインをこなすアップダウン機、活版印刷機としても使うレトロなプラテン機、シンプルな箔押しをテンポよくこなす箔押し機を使用しています。箔押しもまた、紙製品には昔から使われてきた加工ですが、華やかさや高級感を演出するだけにとどまらない表現のひとつとして楽しまれています。

箔押し加工について詳しくはこちら

「加工難易度 No.1」
受け継がれる技術 ボーダード・エッジカラー加工

カードや封筒の端がカラーリングされていると、それだけで個性的な印象になるボーダードとエッジカラー加工。特に名刺交換の際には、そのカラフルな加工から会話が広がりやすく、さりげない個性も伝えられると人気の加工です。

この加工は、熟練のスタッフによる手作業で施されています。紙を縁取るボーダード加工は、紙を手で均等にずらし、わずかにずれた部分に鮮やかなカラーリングを施しています。ラインの幅は1ミリ前後。シンプルな加工ですが、繊細で上品なイメージを演出しデザインや文章を引き立ててくれます。

ボーダード加工の歴史は古く、欧米や日本に同じような紙を縁取る加工技術があります。海外のステーショナリーブランドでは必ずといっていいほど見かけるクラシカルな加工。日本でも紙の縁を朱で染める四方紅があります。お正月やお祝い事に、邪気を払うとして長く使われている伝統的な加工なのです。

紙の断面(側面)をカラーリングするエッジカラー加工も、同じく手作業で仕上げています。エッジカラーは紙の側面のみ色が入るため、よりさりげない印象。ビジネスシーンにも無理なく取り入れられると人気があります。

色が均一になるように一定の早さでカラーリング。インクによって吹き付ける回数も微妙に変えて調整している。繊細さと根気のいる作業。


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エッジカラー加工について詳しくはこちら

「BOX人気 No.1」
沢山重ねてもかわいい素材感が魅力 ボード紙の箱

箱は使い終わってからも、捨てずに何か使い勝手を考えてしまうもの。
ショップの方から個人の方まで様々な用途のオーダーBOXの中で、ボード紙の箱が最も人気です。人気No.1はそっけないほどのシンプルさが逆にここちよい、素材感が伝わるホッチキス箱/糊どめ箱。ファクトリーのパーツ入れにあるような、飾り気のない箱です。

ざくっとした手触りのボード紙の箱は、サイズを指定して作ることができます。しっかりとした印象のホッチキス箱、スマートな糊どめ箱の2種類があり、活版印刷や箔押し加工を施すこともできます。

クラフト感のある素材も、デザイン次第で洗練された雰囲気にも仕上がる。

糊どめ箱を作る、羽車オリジナルの製函機。


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「希少度 No.1」
レトロな製袋機で作られた ダイア型の二重封筒

封筒メーカとしては老舗の羽車。
ルーツや格式を大事にされるお客様に選ばれているのが、封筒の内側にもう一枚中紙の入ったダイア型二重封筒です。

日本の封筒では、タテ長の和封筒で便箋とセットになった二重封筒を見かけます。丁寧に包むという意味があると聞きます。一方フタが三角形のダイア二重封筒のルーツは、かつて万年筆のインクを吸うために薄紙(tissue)を挟んでいたことに由来します。現在ではデザイン性や、透け防止の目的で使われています。

二重封筒をキレイに作るには、中紙を「あいまいに」貼ることが大切。なぜ「あいまい」かというと、ぴったり貼りすぎると封をする際に中の紙がシワになってしまうから。「ふわっとあいまい」に貼るのは手作業でも意外に難しいのですが、それができるのが珍しい二重封筒の製袋機。調整が非常に難しい、レトロな機械です。

日本で一台のこのマシンは、とてもゆっくりなペースで「ふわっとあいまいに」中紙を貼って封筒を仕上げる。


二重封筒の商品ページはこちら

伝統を大切にしながら
時代に合わせた提案・進化する加工を

羽車の加工は、新旧の個性的なマシン、人の感覚、そして職人の手作業をフルに使って仕上げています。複雑に重なる加工、加工が難しい紙への挑戦など、もっと表現の幅が広がる加工の可能性がないかと探っています。
羽車の個性豊かな加工の数々を、たくさんの方々に楽しんでいただけましたら幸いです。



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「制作例(デザインギャラリー)」 実際の加工オーダーを紹介するページ
「紙と印刷加工の相性」 紙によって違う印刷加工の見え方を紹介するページ
「紙と加工の研究」 羽車にとって初めての加工や難しい加工に挑戦するページ


羽車(ハグルマ)公式サイト